「エマルジョンリムーバー」
- Takemi Kaneko

- 7月31日
- 読了時間: 2分
「エマルジョンリムーバー」物語
〈 作 ジャムヘアーサロン 〉
【私、洗えてなかったんだ。】
「ちゃんとクレンジングしてるのに、肌がくすんでる気がする…」
そんなモヤモヤを抱えていたのは、40代後半の美紀さん(仮名)。
最近、肌が重たく、メイクのノリもイマイチ。
鏡を見るたび、「年齢のせいかな…」と、つい諦めそうになる。
ある日、いつものジャムヘアーサロンで、
ヘアの仕上げ中、何気なく尋ねてみた。
「わたしの肌、ちょっとくすんでない?」
するとスタッフが、にっこり笑って手に取ったのは――
『エマルジョンリムーバー』。
「これ、ぜひ試してみてください。
顔にシュッとスプレーするだけで、
見えなかった汚れが白く濁って浮き上がるんです!」
半信半疑ながらも、帰宅後、言われた通りにスプレーしてみる。
すると――
「うそでしょ…? これ、私の肌の中にいたの?」
鏡を見ながら、思わず声が漏れた。
普段どれだけ丁寧に洗っても落としきれていなかった汚れが、
まるで溶け出すように浮かび上がってきた。
洗い上がりの肌は、しっとりしているのに
まるで深呼吸したあとのような、ふわっとした軽さ。
「肌って、呼吸できるんやぁ…」
使い続けるうちに、
肌はふっと明るさを取り戻し、
頬には自然なツヤがにじむように。
「洗ってる」と「落ちてる」は、違ったんだ。
そのことに気づいたとき、
鏡の中の私が、ずっと見たかった笑顔をしていた・・・





コメント